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電子構造研究系 分子研リポート2001 | 分子科学研究所

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3-4 電子構造研究部門

基礎電子化学研究部門

西   信 之(教授)

A -1)専門領域:クラスター化学、電子構造論、物理化学

A -2)研究課題:

a) 分子クラスター磁石化合物の合成とその磁性、電子状態、構造の解明 b)液体中でのクラスター形成による局所構造の発生と“ Micro Phase” の生成 c) 溶液中の有機分子およびクラスターのイオン化過程と構造・溶媒配向緩和

d)分子クラスターイオンにおける分子間相互作用と電荷移動・エネルギー移動ダイナミックス

A -3)研究活動の概略と主な成果

a) 今年度は,高温分子磁石の開発研究にとって画期的な年であった。まず,ジクロロメタン溶液中の(C5H5C o(C O)2)の 光化学反応によって,コバルトセン(C5H5C oC5H5)を主体としビコバルトセン(C5H5C oC5H4-C5H4C oC5H5)などのコ バルトセン誘導体を含む混合常磁性マトリックス中に生成した,CoxCyHz (x = 3,4,5) クラスターの磁化率を測定し た。この系では,10 K より低温で磁化率が急激に立ち上がり,ブロッキング温度が5 K の単分子磁石が実現している ことが明らかになった。ヒステリシス曲線は,ループを重ねるごとに,初期磁化曲線が示す値よりも高いレベルで一 定のループに収束し,初期ループが示した220ガウスの保持力は半分の値に収束してしまった。しかし,明確なヒス テリシス曲線の観測は,CoxCyHzクラスターが単分子磁石として機能していることを示した。そこで,可能な限り単 成分の分子磁石を合成するために,C o4(C O)12のジクロロメタン溶液に300 nmより長波長の光を照射することによ り,質量数 344の C o4C8H12を主体としこれにメチレンあるいはメチル基が付加した化合物を含む物質を得た。この 物質のスピン反転ブロッキング温度は交流磁化率の測定から 16 K と見積もられ,ヒステリシス曲線は,保持力 280 ガウスを示した。このような低分子が分子磁石になり,ある程度の保持力を示すのは驚きである。スピン反転ブロッ キング温度を更に高温とするためには,このクラスター分子骨格を繋いでスピン量子数を大きくし,且つ異方性を 増さなければならない。これを実現するために,耐圧容器を用いてC o4(C O)12のジクロロメタン溶液を摂氏150度か ら 210 度で反応させ,ナノ粒子集合体を得た。この物質のコバルト:炭素比はほぼ1:2であったが,1:1の生成物 も見られた。フラッグメントの質量分析から水素原子が炭素あるいはコバルトに付加していることがわかった。前 者の試料の磁化率の温度変化を測定したところ,反応温度が高いほど高温側の値が増加し,210度で反応させた物質 は極低温から室温に至るまで,ほぼ同程度の磁化率,即ち磁化率の減少がほとんど見られないという結果を示した。 この物質は,低温ではゼロ磁場付近と4テスラ付近の2カ所で磁化の増大を示すという「フェリ磁石」的なヒステリ シス曲線を示したが,室温では強磁性成分と常磁性成分の混合物としてのヒステリシス曲線を示した。磁化率の温 度変化を注意深く検証した結果,18 K 以下で磁化率が一旦減少し 5 K 以下で再び上昇することから,強磁性分子で ある第1成分を囲む第2成分が 18 K 付近で強磁性−常磁性相転移を示すと考えられる。300 K での保持力と 1.8 K での保持力は 250 ガウスと一定であった。また,残留磁化もほとんど温度依存性が見られなかった。ただし,飽和磁

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化はダイナミックに変化する。このような現象は,温度の低下とともに磁区が大きくなり,保持力が大きくなる,金 属あるいは金属微粒子とは大きく異なる点である。このような温度が変化しても保持力および残留磁化が変化しな いという現象は,井上グループが開発した不斉分子磁石[C r(C N)6][Mn(s)-1,2-diaminopropane (H2O)](H2O)においても 5 K から 36 K で観測され,磁区が1分子に局在し,温度によって磁区の大きさが変化しない「分子磁石」に特有な性 質であると言える。また,分子クラスターのサイズが大きくなるにつれてブロッキング温度は上昇するが,保持力お よび残留磁化に大きな変化が見られないのは,分子磁石の保持力を決めている要因が基本骨格構造にあるのではな いかという可能性を示唆しているが,磁性発現の本質に係わる物理的に重要な新たな研究テーマを与えてくれてい る。尚,空気中で長期間安定な常温分子磁石の実現は,世界で初めての成果である。

b)2種類の液体を混ぜ合わせたときに,界面相が見えなければ,2種類の液体は一様に混合しているとみなすことが ある。しかし光の波長よりも短い分子の世界でも,2種類の液体分子は均一に混ざっているのだろうか。このような 基本的かつ教科書的な問題について,ラマン分光法および理論計算を用いた研究を進めている。これまでの研究か ら,水とアルコールとの混合では分子レベルで相分離を起こし,均一には混ざらないことを示している。これは,酢 酸と水,酢酸とアルコールの混合溶液についてもあてはまり,酢酸のモル比が0.001においても,酢酸は酢酸分子同 士,水素結合性溶媒は水素結合性溶媒分子同士で会合体を作り,分子レベルでは均一に混ざりにくいことがわかっ た。一方,アセトニトリルなどの非水素結合性極性溶媒と水素結合性溶媒との混合では,水素結合性溶媒分子は単量 体に解離し,分子レベルでも均一に混ざることがわかった。これらの結果から,我々は次のような分子レベルでの混 合の経験則を提案した。『水素結合性溶媒同士の混合では,片方が過剰量存在しても分子レベルでは均一に混ざりに くいのに対し,水素結合性溶媒と非水素結合性極性溶媒との混合では,非水素結合性極性溶媒が過剰量存在すると, 水素結合性分子の結合は解離して均一に混ざり合う傾向にある』。これは,水素結合性溶媒同士の混合では異分子の 水素結合ネットワークに入りこむよりも,自分達で集まった方が全エネルギーとして有利であることを示唆してい る。このような両親媒性溶媒中における混合状態のミクロな差の原因を究明することにより,混ざることの本質が 見えてくると考えている。

c) イオンを取り囲む溶媒分子の超高速緩和を明らかにする研究を進めている。本年度は,光イオン化によって生成し た芳香族カチオンの超高速ダイナミックスを時間分解吸収分光法を用いて観測し,溶媒和イオンの形成過程を検討 した。無極性溶媒中においては,生成した芳香族カチオンの吸収はサブピコ秒の時定数で減少し,光電子と親カチオ ンのgeminate recombinationを観測していると考えられる。一方,極性溶媒中においては,サブピコ秒領域でカチオン の吸光度が減少した後,ピコ秒領域で吸光度が増加する新たな現象を観測した。吸光度の減衰は,geminate recombina- tionに由来し,極性溶媒中においても再結合が起こることを示した。フェムト秒領域では溶媒和が十分に形成されて いないため,極性溶媒分子によるクーロン力の遮蔽効果が小さいためであると考えられる。昨年度の時間分解ラマ ン分光法を用いた研究において,振動エネルギーが溶媒に散逸し,溶媒和構造が乱れることで,カチオンの電子遷移 モーメントおよび共鳴ラマン強度がピコ秒変化するモデルを提案している。今回観測したピコ秒領域の吸光度の増 加は,上記のモデルを支持している。この結果は,多光子で生成したカチオンは,余剰エネルギーの散逸によって,10- 20 ピコ秒の時定数で溶媒和されることを意味する。

d)溶液中のイオン会合体の構造と関連して,水と蟻酸混合クラスターの気相イオントラップ赤外レー ザー分光と

+•(HCOOH) n•H n = 3ま

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B -1) 学術論文

T. NAKABAYASHI, H. SATO, F. HIRATA and N. NISHI, “Theoretical Study on the Structures and Energies of Acetic Acid Dimers in Aqueous Solution,” J. Phys. Chem. A 105, 245 (2001).

K. KOSUGI, Y. INOKUCHI and N. NISHI, “Charge Transfer Interaction in the Acetic Acid-Benzene Cation Complex,” J. Chem. Phys. 114, 4805 (2001).

Y. INOKUCHI and N. NISHI, “Photodissociation spectroscopy of benzene cluster ions in ultraviolet and infrared regions: Static and dynamic behavior of positive charge in cluster ions,” J. Chem. Phys. 114, 7059 (2001).

T. NAKABAYASHI, S. KAMO, H. SAKURAGI and N. NISHI, “Time-Resolved Raman Studies of Photoionization of Aromatic Compounds in Polar Solvents: Picosecond Relaxation Dynamics of Aromatic Cation Radicals,” J. Phys. Chem. A 105, 8605 (2001).

T. NAKABAYASHI, N. NISHI and H. SAKURAGI, “Photochemistry of Photochromic Benzopyrans Studied by Time- Resolved Absorption Spectroscopy,” Science Progress 84, 137 (2001).

B -4) 招待講演

N. NISHI, “Cluster Formation of Waters and States of Solutes in Aqueous Solutions,” COE Symposium on Ultraprecision Science and Technology for Atomistic Production Engineering—Creation of Perfect Surface—, Osaka, March 2001. N. NISHI, “Microscopic Phase Separation of Solutes in Hydrogen Bonding Solutions and Photochemical Synthesis of Organometallic Magnetic Compounds,” Indo-Japan information Exchange Seminar, Bangarole (India), January 2001.

西 信之 , 「光による有機金属クラスター分子磁石の創成」, T he 13

th

S ymposium of Material R esearch S ociety of J apan, K anagawa S cience Park, 川崎 , 2001 年 12月 .

中林孝和、西 信之 , 「水の中のクラスター」, 日本食品科学工学会第 48回大会 , 高松 , 2001年 9 月 .

T. NAKABAYASHI and N. NISHI, “Time-Resolved Raman and Absorption Studies of Photoionization of Aromatic Compounds in Polar Solvents: Ultrafast Relaxation Dynamics of Ions,” The 9th Japan-Korea Joint Seminar on Molecular Science, Okazaki (Japan), January 2001.

中林孝和, 「水酸基を持つ液体の局所構造と分子レベルでの混合状態の経験則の提案」, 分子研研究会「分子科学から見 た 21 世紀の溶液化学」, 岡崎 , 2001年 5 月 .

中林孝和 , 「液体の構造化学:回折法と振動分光法を用いた最近の研究とこれからの展開」, 液体の化学夏の学校 , 草津 , 2001 年 8月 .

B -5) 受賞、表彰

西 信之 , 井上学術賞(1991). 西 信之 , 日本化学会学術賞(1997).

B -6) 学会および社会的活動

日本化学会先端ウオッチング実行委員 . 文部科学省、学術振興会等の役員等

日本学術振興会専門委員 .

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B -7) 他大学での講義、客員

岡山大学 , 大学院特別講義「クラスター化学」, 2001 年度後期 . 名古屋大学 , 特別講義「クラスターの化学」, 2001 年度後期 .

C ) 研究活動の課題と展望

今年度はスピン反転ブロッキング温度が5 K の系から始まり,遂に300 K を遙かに越えるCoxCy(= 2x)Hz分子磁石の開発に成 功した。詳細は,特許手続き中である。実用的には,クラスターの混合物であっても問題はないし,サイズ分布があるからこ そ,大きな強磁性分子が小さな常磁性分子の中に埋まって単分子磁石として機能している可能性が高い。このような状況 を,透過電子顕微鏡や強磁性探針を装着した S T Mを用いて観察する必要がある。最も大きな課題は,構造決定であろう。 このためには,やはり,特定種の単離が不可欠である。予備的なE E L S 観測では,C o同士の直接の結合によるスペクトル線 の分裂や幅の広がりが見られないことからC o原子が炭素原子によって囲まれた構造をとっていること,更に電子線回折で は結晶性のリングパターンが観測されていることなどから,粉末X線,中性子,固体NMRによる解析が有効であると判断さ れる。また,液クロによる分離を行える試料の合成が必要であり,炭素原子に長鎖の炭化水素を結合させて溶媒溶解能を高 めると同時に単分子特性を活かすシステムを構築しなければならない。新しく,極低温S T Mが導入されるので,これを活用 して分子磁石の磁性発現機構の研究を進めたい。

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佃   達 哉(助教授)

A -1)専門領域:物理化学、クラスター科学

A -2)研究課題:

a) 金属ナノクラスターの液相合成とその質量分析法の開発 b)金属ナノクラスター表面での化学反応の探索

c) 磁性金属ナノクラスターの形態と配列の制御

A -3)研究活動の概略と主な成果

a) 化学的凝集法によって液相で合成された金属超微粒子の形態や配列に関する構造評価は,透過型電子顕微鏡(T E M) 観察による方法が主流である。しかしながら,これらの金属超微粒子を「金属クラスター」として分子科学的な視点 で捉えるうえでは,T E M 観察は必ずしも十分な評価法とは言えない。例えば,T E M 像からクラスターの構成原子数 を見積もることは原理的に不可能であり,特に数ナノ∼サブナノメートル領域のクラスターに対しては明瞭なコン トラストの T E M 像を得ること自体が困難である。また,ある視野で観測された T E M 像からクラスターサイズ分布 を求める過程には主観的な要素が入り易く,サンプル数も統計的には不十分である。そこで我々は質量分析法を併 用することによってこれらの問題を克服することができると考え,エレクトロスプレーイオン化部と飛行時間型質 量分析部からなる分析装置を設計・製作した。製作した装置の質量分解能は約2000(リフレクトロン使用時)であり, 10万を超える分子量のイオン種の検出が可能である。本装置を用いて,デンドリマーによって安定化された遷移金 属クラスターの質量分析を試みた。例えば第5世代のポリアミドアミンデンドリマーと200倍当量のパラジウムイ オンから合成されたパラジウムクラスターでは,150量体,310量体程度に相当するクラスターのピークが他に比べ て強く観測された。このことは主として3層,4層の閉殻構造を持つクラスターがデンドリマーの内部空間に生成 することを示している。また,これらのスペクトルは,クラスターの生成条件のみならず保管条件などによって大き く変化することを見出した。現在,これらの結果を詳細に検討し,サイズの揃った金属クラスターを大量かつ再現性 よく合成する方法の確立を目指している。

b)ナノメートルスケールの金属クラスターは,構成原子のほとんどが表面を構成しており,結合の不飽和度も大きい ことから,新奇な化学反応の場を提供するものと期待できる。一方で,金属クラスターを液相で合成する際には,そ の表面を有機配位子等で覆うことによってクラスター同士の凝集を防ぐ必要がある。金属クラスターを利用した触 媒開発にあたっては,クラスターが本源的に有している触媒機能を損なうことなく,クラスター表面を安定化する ことが重要な課題である。そこで我々は,デンドリマー,シクロデキストリン,カリックスアレンなどの分子カプセ ルによって保護された遷移金属クラスターを合成し,その触媒活性を調べた。例えば,シクロデキストリンの疎水性 空孔で安定化されたパラジウムクラスターは,水中での鈴木宮浦クロスカップリング反応に対して有効な触媒とな ることがわかった。さらに,この反応ではシクロデキストリンの環状構造の大きさの違いを反映して,反応活性が変 化することが明らかになった。この結果は,クラスターの表面を修飾する有機分子の構造を積極的に制御すること によって,新たな反応選択性などの機能を付与できる可能性を示している。これらの有機触媒反応に関する研究は, 櫻井英博先生(大阪大学)との共同研究として進めている。また,これらのクラスター表面で進行する化学反応のメ カニズムを理解するためには,電子状態に関する情報が不可欠である。そこで,基板表面にクラスターを担持し,超

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高真空下で光電子分光や昇温脱離実験を行なうための実験装置の開発を進めている。

c) 金属ナノクラスターの集合体は,新しい化学的・物理的特性を示すナノ構造材料として注目を集めている。特に,グ ラニュラー薄膜構造の磁性金属ナノ粒子集合体でみられるトンネル磁気抵抗効果は,スピン依存単電子トンネル伝 導の基本原理の解明のみならず,メモリー素子への応用という実用的観点からも重要である。本研究では化学的な 手法を用いて,サイズや形状が揃った磁性金属クラスターが自己組織的に規則配列した集合体の作成を行ない,そ のトンネル磁気抵抗特性を調べる。本研究テーマは,学術創成研究「新しい研究ネットワークによる電子相関系の研 究」の一貫として,高梨弘毅先生(東北大学金属材料研究所),磯田正二先生(京都大学化学研究所)との共同研究とし て行われている。

B -1) 学術論文

M. SAEKI, T. TSUKUDA and T. NAGATA, “Ab Initio Study of (CO2)n: Structures and Stabilities of Isomers,” Chem. Phys. Lett. 340, 376 (2001).

M. SAEKI, T. TSUKUDA and T. NAGATA, “Ab Initio Study of CO2·CO2 ↔ C2O4 Isomerization,” Chem. Phys. Lett. 348, 461 (2001).

L. ZHU, K. TAKAHASHI, M. SAEKI, T. TSUKUDA and T. NAGATA, “Photodissociation of Gas–Phase I3: Product Branching in the Visible and UV Regions,” Chem. Phys. Lett. 350, 233 (2001).

K. JUDAI, Y. NAKAMURA, M. TACHIBANA, Y. NEGISHI, A. NAKAJIMA and K. KAYA, “Photoelectron Spectroscopy of Scandium-Arene Complex Anions,” Chem. Lett. 2, 114 (2001).

B. PALPANT, Y. NEGISHI, M. SANEKATA, K. MIYAJIMA, S. NAGAO, K. JUDAI, D. M. RAYNER, B. SIMARD, P. A. HACKETT, A. NAKAJIMA and K. KAYA, “Electronic and Geometric Properties of Exohedral Sodium– and Gold– Fullerenes,” J. Chem. Phys. 114, 8459 (2001).

H. KAWAMATA, Y. NEGISHI, A. NAKAJIMA and K. KAYA, “Electronic Properties of Substituted Aluminum Clusters by Boron and Carbon Atoms (AlnBm/AlnCm); New Insights into s-p Hybridization and Perturbed Shell Structures,” Chem. Phys. Lett. 337, 255 (2001).

Y. NEGISHI, Y. NAKAMURA, A. NAKAJIMA and K. KAYA, “Photoelectron Spectroscopy of Gold-Silver Alloy Cluster Anions,” J. Chem. Phys. 115, 3657 (2001).

M. A. DUNCAN, A. M. KNIGHT, Y. NEGISHI, S. NAGAO, K. JUDAI, A. NAKAJIMA and K. KAYA, “Photoelectron Spectroscopy of Vx(Coronene)y and Tix(Coronene)y Anions,” J. Phys. Chem. A 115,10093 (2001).

B -3) 総説、著書

佃 達哉 , 「表面修飾による金属クラスターの安定化と機能化」, クラスター科学:新しいナノサイエンスの開拓に向けて , 社 団法人日本化学会 , 61-66 (2001).

魚住泰広、佃 達哉 , 「金属ナノ粒子の調製と新機能」, 化学 56, 68-69 (2001).

佃 達哉、茅 幸二 , 「ナノクラスター」, 図解:ナノテクノロジーの全て , 川合知二編 , 工業調査会 , 42-45 (2001).

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B -4) 招待講演

佃 達哉, 「表面修飾による金属クラスターの安定化と機能化」, 電子通信研究所共同プロジェクト研究会「化学反応制御 による表面ナノ構造の創製」, 東北大学電子通信研究所 , 仙台市 , 2001年 2 月 .

佃 達哉 , 「表面修飾による金属クラスターの安定化と機能化」, 第 79回日本化学会春季年会先端ウォッチング , 甲南大学 , 神戸市 , 2001 年 3月 .

佃 達哉, 「原子でつくる造形物:分子からクラスターまで」, 安城市シルバーカレッジ, 安城市文化センター, 安城市, 2001 年 6 月 .

B -5) 受賞、表彰

佃 達哉 , 第 11回井上研究奨励賞(1995).

B -6) 学会および社会的活動 学会の組織委員

第 79 回日本化学会春季年会先端ウォッチング事務局(2001). 第 13 回日本 MR S 学術シンポジウムチェアー(2001).

科学技術振興事業団 , 技術者継続能力開発・再教育事業 , 「クラスターサイエンス」W E B 教材編成責任者 .

C ) 研究活動の課題と展望

【金属クラスターのサイズ選択的合成】E S I-T OF 質量分析装置が完成し,金属クラスターの合成やそのエレクトロスプレー イオン化に関するノウハウもかなり蓄積された。その結果,金属クラスターの構造や生成過程に関して新しい情報が得られ つつあるが,同時にいくつかの課題も明らかになった。①現在は,デンドリマーによって安定化された遷移金属クラスターを 中心に研究を進めているが,市販のデンドリマーが欠損構造を持つ不純物を多く含んでおり,このことが質量分析から得ら れる情報量を少なくしている。単分子量のデンドリマーを入手することが現実的な課題であり,有機化学の専門家の御協力 を頂きながら解決法を探る。②レーザー脱離イオン化源を導入し,分析法としての汎用性等についてE S I法との比較を行な う。③液クロを利用して,金属クラスターのサイズ選択的な分取を試みる。

【金属クラスターの構造評価・機能探索】金属クラスターの電子状態については,奥平幸司先生(界面分子科学研究部門) の御協力のもと,UV S OR でUPSの測定を開始している。クラスターの反応性については,液相での研究を進めると同時に, 超高真空下で反応素過程を追跡するための装置製作を行なう。

金属クラスターの合成→構造評価→機能探索→機能解明,という一連の流れを確立することを目指しているが,各テーマ が個別に走っているのが現状である。来年度は根岸助手,新任ポスドクを含めた3人体制でこれらのギャップを埋めていき たいと考えている。

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電子状態動力学研究部門

藤 井 正 明(教授)

A -1)専門領域:物理化学、分子分光学

A -2)研究課題:

a) 赤外−紫外二重共鳴分光法による分子・クラスターの構造とその動的挙動 b)イオン化検出赤外分光法による孤立分子・クラスターの高振動状態の研究 c) パルス電場イオン化光電子分光法による分子カチオンの振動分光 d)2波長分光法を用いる超解像レーザー蛍光顕微法の研究

A -3)研究活動の概略と主な成果

a) 溶質・溶媒分子で構成される溶媒和クラスターは凝集相のミクロなモデルであり,その構造と反応性は凝集相での 反応・緩和や溶媒効果を分子論的に理解する上で理想的な試料系である。同時に特に水素結合で形成される溶媒和 クラスターは溶液と同じく光励起プロトン移動反応をを起こすが,反応活性にはクラスターサイズ依存性が有るこ とが知られている。しかし,このような反応活性なクラスターの構造はS0S1共に確定しておらず,構造と反応性の 関係は明瞭ではない。そこで本研究では赤外−紫外二重共鳴分光法の一種であるIR D ip分光法を主に水素結合で形 成される反応活性な溶媒和クラスターに適用し,基底状態S0,電子励起状態S1,及びイオン化状態での赤外スペクト ルの観測を行い,振動スペクトル解析,及び ab initio MO計算(東京都立大学・橋本健朗助教授との共同研究)との比 較からクラスターの構造を明らかにしてきた。

昨年度,排気量の大きな分子線発生用真空槽に最大15 kV の高電圧加速電源,マスゲートといた大きなクラスターの検出 に必要な装置開発・整備を行い,1-ナフトールについては26量体までの測定に成功した。さらに,アンモニアを溶媒として添 加することで2量体形成が加速される効果を初めて見出し,生成エネルギーを元にこの解釈を行なった。フェノール,カルバ ゾール,7−アザインドールといった分子を核とする溶媒和クラスターも多量体を視野に入れ,多光子イオン化スペクトル,IR D ipスペクトルの測定を継続している。

重要な進展としては,ピコ秒赤外−紫外2重共鳴分光システムの開発である。波長可変ピコ秒赤外レーザーの発生方式とし て,チタンサファイア再生増幅器の出力(800 nm)と再生増幅器で励起したOPGレーザーのアイドラー光の倍波の差周波発 生という新たな方式を導入し,従来の市販の物の10倍に達する100 µJ 出力を3 µm領域で実現した。この大出力によりピコ 秒赤外レーザーを用いてナノ秒レーザーと同様の IR D ip分光法が適用可能となった。即ち,ピコ秒時間分解赤外スペクト ルをクラスター内反応へ適用可能となった。これをフェノール・(NH3)3クラスターのOH基ラジカル開裂による水素原子移動 反応に適用し,反応過程の実時間観測を試みた。この反応はパリ南大のC . J ouvet らのグループが提唱し,我々が独自に開 発した紫外−赤外−紫外3重共鳴分光を適用して酸塩基対クラスターにもかかわらず中性ラジカル開裂が起きることを証明 した系である。得られたスペクトルはナノ秒レーザーで測定した振動バンドが異なる立ち上がり時間を有することを示してお り,2種類の分子種が存在することが明らかになった。ab initio MO 計算の結果などと含め,この分子種を生じるNH4(NH3)2

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を残した効果と解釈した(メモリー効果)。

b)イオン化検出赤外分光法は独自に開発した高感度赤外分光法であり波長可変赤外レーザーで生じる振動励起分子 を紫外レーザーで選択的にイオン化して検出する二重共鳴分光法である。赤外遷移をイオン検出すること及びバッ クグラウンドフリーであることから極めて高い検出感度を有し,試料濃度が希薄な超音速ジェット中で吸収係数が 極めて小さな高次倍音を明瞭に観測できる。2個のOHを有するベンゼン誘導体・カテコールに本分光法を適用し, 高次倍音測定及び振動数が近接した振動準位を導入することに依る分子内振動緩和の変化を調べた。この分子の場 合,一方のOH基は分子内水素結合により振動数がもう一方の自由なOH基より僅かに低下している。観測した線巾 によると高振動状態での緩和も両者で大きく異なっており,分子内水素結合の有無が緩和速度に大きく影響を与え ている事を明らかにした。これに関して Henrik K jaergaad 博士( University of Otago,NE W Z E A L A ND )と理論面に関 して共同研究を行なった。

c) パルス電場イオン化光電子分光法(PF I-Z E K E 法)は高励起リュードベリ状態を電場イオン化して検出する高分解能 光電子分光法であり,カチオンの振動分光を行う優れた手段である。我々は中性リュードベリ状態を検出する特性 に着目して装置の大幅な簡易化・汎用化を実現し,従来の光電子分光では困難な大きな分子カチオンの振動分光を 行ってきた。本年はS1電子励起に伴い面外バタフライ型大振幅振動に沿って分子変形することが知られている1, 2, 4, 5-tetrafluorobenzeneに関して本分光法を適用し,イオン化により分子構造が平面型に戻ることを明らかにした。ま た,クラスターに関しても九州大学大学院理学研究科の関谷博教授,迫田憲治君(D1)との共同研究,並びに水素結 合クラスターに関して英国 Y ork 大学 K . Müller-Dethlefs教授との共同研究も行った。

d)2台のレーザーを用いる分光法は回折限界を凌駕する空間分解能(超解像)に展開できる。即ち,1色のレーザーを 集光した際に出来る像は回折限界で制限されているが,2つのレーザー光の重なり部分を取り出せば回折限界以下 の空間分解能が得られるはずである。これをミレニアムプロジェクト(革新的技術開発研究)としてオリンパス光学・ 池滝慶記主任研究員,千葉大学工学部・尾松孝茂助教授,慶應義塾大学理工学部・山元公寿助教授との学際共同チー ムにより推進し,このアイディアに基づく顕微分光実験装置を製作,原理検証と共に現在回折限界の3倍までの分 解能達成に成功した。

B -1) 学術論文

K. TAKAZAWA and M. FUJII, “Butterfly Vibration of the Tetrafluorobenzene Cation Studied by Pulsed Field Ionization- ZEKE Photoelectron Spectroscopy,” J. Electron Spectrosc. 112, 241 (2000).

K. SAKOTA, N. YAMAMOTO, K. OHASHI, H. SEKIYA, M. SAEKI, S. ISHIUCHI, M. SAKAI and M. FUJII,

“Electronic and Infrared Spectra of Jet-cooled 4-aminiobenzonitrile-H2O. Change of NH2 from proton acceptor to proton donor by CN substitution,” Chem. Phys. Lett. 341, 70 (2001).

M. SAKAI, K. DAIGOKU, S. ISHIUCHI, M. SAEKI, K. HASHIMOTO and M. FUJII, “Structures of carbazole-(H2O)n (n = 1-3) clusters studied by IR dip spectroscopy and a quantum chemical calculation,” J. Phys. Chem. A 105, 8651 (2001). H. YOKOYAMA, H. WATANABE, T. OMI, S. ISHIUCHI and M. FUJII, “Structure of Hydrogen-bonded Clusters of 7- Azaindole Studied by IR dip Spectroscopy and Ab Initio Molecular Orbital Calculation,” J. Phys. Chem. A 105, 9366 (2001). S. ISHIUCHI, M. SAKAI, K. DAIGOKU, T. UEDA, T. YAMANAKA, K. HASHIMOTO and M. FUJII, “Picosecond time-resolved infrared spectra of photo-excited phenol-(NH3)3 cluster,” Chem. Phys. Lett. 347, 87 (2001).

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M. SAEKI, S. ISHIUCHI, M. SAKAI and M. FUJII, “Structure of 1-Naphthol/Alcohol Clusters Studied by IR Dip Spectroscopy and Ab Initio Molecular Orbital Calculations,” J. Phys. Chem. A 105, 10045 (2001).

S. KINOSHITA, H. KOJIMA, T. SUZUKI, T. ICHIMURA, K. YOSHIDA, M. SAKAI and M. FUJII, “Pulsed Field Ionization Zero Kinetic Energy Photoelectron Study on Methylanisole Molecules in a Supersonic Jet,” Phys. Chem. Chem. Phys. 3, 4889 (2001).

B -4) 招待講演

藤井正明 , 「レーザー二重共鳴法による気相分子・クラスターの高感度赤外分光計測」, レーザー学会年次大会招待講演 , 東京国際フォーラム, 東京 , 2001 年 1月 .

藤井正明, 「赤外−紫外二重共鳴分光法とab initio分子軌道法計算による7−アザインドールクラスターの構造化学」, 分子 研ミニ研究会「光プロトン移動―7−アザインドールを中心として」, 分子科学研究所 , 岡崎 , 2001年 3 月 .

S. ISHIUCHI and M. FUJII, “Excited State Hydrogen Transfer in Phenol/ammonia Cluster Studied by UV-IR-UV Ion Dip Spectroscopy,” IMS Mini-Sympoium “Intracluster Photochemical Reaction—Proton Transfer VS Hydrogen Transfer,” IMS, Okazaki (Japan), 2001年5月.

M. FUJII, “PFI-ZEKE Spectroscopy of Meta–substituted Phenol Derivatives Aqueous Cluster—rotational isomer and large amplitude motions in cluster cation,” IMS Mini-Sympoium “Photoionization,” IMS, Okazaki (Japan), 2001年5月. M. FUJII, “Hydrogen Transfer Reaction in a Phenol/Ammonia Cluster Studied by UV-IR–UV Dip Spectroscopy,” 10th International Conference on Time-Resolved Vibrational Spectroscopy, Okazaki Conference Center, Okazaki (Japan), 2001年

5 月 .

M. FUJII, “Structure and Solvation of Doubly Hydrogen-Bonded Molecular Pair Studied by IR Dip Spectroscopy,” International Symposium of the Volkswagenstiftung on Isolated Molecules of Biological Interest, Schloss Mickelen, Düsseldorf (Germany),

2001年 6 月 .

酒井 誠、藤井正明, 「赤外−紫外レーザー二重共鳴分光法による反応活性クラスターの構造とピコ秒ダイナミクス」, 2001 年秋期応用物理学会シンポジウム「化学反応と光波シンセシス」, 愛知工業大学 , 愛知 , 2001年 9 月 .

M. FUJII, “Structure & Dynamics of Phenol/Naphthol Aqueous Cluster Studied by Laser Spectroscopy,” Okazaki COE Conference on Reaction in Aqueous Media, Okazaki Conference Center, Okazaki (Japan), 2001年10月.

B -5) 受賞、表彰

日本化学会進歩賞受賞(1992). 山下太郎学術奨励賞受賞(1992). 分子科学奨励森野基金(1996).

B -6) 学会および社会的活動 分子科学研究会・事務局 .

(11)

C ) 研究活動の課題と展望

ピコ秒波長可変赤外−紫外レーザー分光システムの開発により,クラスターに関する時間分解赤外分光が可能となった。ク ラスターの時間分解赤外分光は世界初であり,我々だけが成功している方法である。国際的にも競争力の高い方法であり,

現時点でクラスター内反応を起こす系をできるだけ多く試みてみたい。反応性の面でも多量体クラスターの測定は重要であ り,高電圧加速など多量体クラスターの発生・検出,あるいは新規クラスター源の開発も同時に進行させる必要がある。新メ ンバーの参加を待ち望む次第である。

(12)

鈴 木 俊 法(助教授)

A -1)専門領域: 化学反応動力学、レーザー分光学

A -2)研究課題:

a) 交差分子線散乱法による分子衝突・化学反応の微分散乱断面積レベルでの実験研究 b)レーザー偏光分光法による化学反応の3次元立体動力学、ベクトル相関の研究

c) 超高速光電子観測法による化学反応の実時間観測と分子固定系での光イオン化立体動力学

A -3)研究活動の概略と主な成果

a) 開殻分子の散乱動力学で最も基本となる NO(

2Π)-A rの回転非弾性散乱について,微細構造保存・変化両過程の状態

選択微分散乱断面積を世界で初めて測定し,C C S D (T )曲面上での量子散乱計算と詳細に比較検討した。励起酸素原 子 O(

1

D )の原子線源を開発し,その強度の評価と改良を行った。 b)OC Sの紫外光解離反応によって生成するS(

1

D ) 原子について,偏光光イオン化画像観測法,特に新しい3次元画像観 測法を適用し,原子の電子軌道配向(orientation)を観測した。原子の軌道配向は,光励起過程において二つの異なる 電子状態への平行・垂直遷移が同時に起こる場合の量子力学的な干渉によって発生するため,分子軸が光の偏光に 対して 0,90度に整列している場合は消失し,45度の場合最大になる。この現象を,3次元画像観測法によって初め て可視化した。また,OC Sの変角振動励起状態からの光解離反応を新たに観測し,励起状態における非断熱解離過程 の収率を,振動基底状態からの光解離と比較し,変角振動励起により非断熱解離収率が増大していることを見いだ した。

c) フェムト秒[1+1’]pump-probe光電子画像化法により,ピラジンのS1-T1電子位相緩和過程を光電子エネルギ分布の変 化として観測し,回転波束運動をも光電子角度分布の変化として初めて検出した。さらに,[1+2’]pump-probe法によ り,ピラジンの 3s, 3p Rydberg 状態に関する詳細な解析・帰属を行った後,3s(π–1) 状態から 3s(n–1) 状態への超高速電 子相緩和を光電子エネルギー,及び角度分布の変化から論じた。3s状態に対して,one-color, two-colorの異なる励起 過程を用いることによって,全く異なる分子整列状態を生成し,ピラジンの分子面に対して垂直・水平に電子が放出 される場合の光電子角度分布の差について分子固定系での解析を行った。同様の研究を,NO, C O分子にも展開し, 回転波束運動を光電子角度分布の時間変化から捉え,特に異方性因子の決定精度を小数点以下2桁目まで高精度化 することで,回転波束運動を光電子角度分布から検出する方法論を確立した。次に,同手法をNO分子の二量体に適 用し,その価電子励起状態からNOのA 状態が生成する様子を,時間分解光電子分光で実時間観測し,光電子エネル ギー・角度分布の変化から反応時間を求めた。光解離過程を分子の回転状態をコヒーレント励起する方法とする新 しい実験を試み,解離フラグメントに起こる回転波束を詳細に検討した。

B -1) 学術論文

M. TSUBOUCHI, B. J. WHITAKER, L. WANG, H. KOHGUCHI and T. SUZUKI, “Photoelectron imaging on time- dependent molecular alignment created by a femtosecond laser pulse,” Phys. Rev. Lett. 86, 4500 (2001).

(13)

J. K. SONG, M. TSUBOUCHI and T. SUZUKI, “Femtosecond photoelectron imaging on pyrazine: spectroscopy of 3s and 3p Rydberg states,” J. Chem. Phys. 115, 8810 (2001).

B -3) 総説、著書

T. SUZUKI and B. J. WHITAKER, “Non-adiabatic dynamics effects in Chemistry revealed by time-resolved charged particle imaging,” International Reviews of Physical Chemistry 20, 313 (2001).

B -4) 招待講演

T. SUZUKI, “Femtosecond pump-probe photoelectron imaging of ultrafast molecular dynamics,” Spectroscopy in the 21st Century, Hayama (Japan), March 2001.

T. SUZUKI, “Femtosecond photoelectron imaging on ultrafast molecular dynamics,” XIX International Symposium on Molecular Beams, Rome (Italy), June 2001.

T. SUZUKI, “Pyrazine: a classic system revisited by femtosecond photoelectron imaging,” Gordon Conference on Photoions, Photoionization and Photodetachment, Williams College, Massachusetts (U. S. A. ), July 2001.

T. SUZUKI, “Ultrafast molecular dynamics studied by femtosecond pump-probe photoelectron imaging,” XVIII Conference on the Dynamics of Molecular Collisions, Copper Mountain (U. S. A. ), July 2001.

T. SUZUKI, “Femtosecond time-resolved photoelectron imaging on ultrafast molecular dynamics,” XXII-International Conference on Photonic, Electronic, and Atomic Collisions, Santa Fe (U. S. A. ), July 2001.

B -5) 受賞、表彰

鈴木俊法 , 分子科学奨励森野基金(1993年度). 鈴木俊法 , 日本化学会進歩賞(1994年度). 鈴木俊法 , 日本分光学会論文賞(1998年度).

B -6) 学会及び社会的活動 学会の組織委員等

第 1 回日本台湾分子動力学会議主催者(1997). 分子構造総合討論会プログラム委員(1997). 第 1 回東アジア分子動力学会議主催者(1998). 第 15 回化学反応討論会組織委員(1999).

分子研研究会「分子及び分子小集団の超高速反応ダイナミクスに関する研究会」主催者(1999).

国際シンポジウム, T he International S ymposium on Photo-D ynamics and R eaction D ynamics of Molecules, プログラム委 員(1999).

分子研研究会「立体反応ダイナミクスの新展開」主催者(2000).

Gordon Conference on Atomic and Molecular Interactions, Discussion Leader (2000).

環太平洋化学会議、シンポジウム, New F rontiers in C hemical R eaction D ynamics, 主催者(2000). 分子科学研究会副委員長(1999-2002).

(14)

B -7) 他大学での講義、客員

京都大学大学院理学研究科化学専攻 , 2001年 4 月 . 東京大学大学院工学研究科物理工学専攻 , 2001年 10月 .

C ) 研究活動の課題と展望

分子線・レーザー分光を用いた気相化学反応素過程の研究を,二分子反応と単分子反応について行ってきた。前者につい ては,決定打となる実験手段は依然として交差分子線画像観測法であり,回転非弾性散乱について状態選別微分断面積 を世界で初めて求めた我々の研究は先端的な位置にある。しかし,同研究をさらに反応性散乱の研究に進めオリジナルな 研究を展開するためには,いくつかの課題を解決する必要があり,我々はこれらに着手している。一つは,星間空間や大気 中での化学反応を詳細に検討するために,衝突エネルギー可変な交差分子線装置を建設することである。これにより,例え ば星間化学で問題となっている中性原子・分子の極低温反応(数十ケルビン以下)を実験室で研究する道が開かれる。も う一つは,レーザー光イオン化検出をより高感度化することであり,励起状態で前期解離する分子(例えばOHラジカル)をも 高効率に検出する手段を確立することである。我々は,そのために極短パルスによる共鳴多光子イオン化を選択する。単分 子反応の研究では,フェムト秒レーザーを用いた実時間観測,特に我々のオリジナルである光電子画像観測実験を更に進 める計画である。電子状態やスピン状態によらず,励起状態を全て観測できる同手法は,化学反応の追跡手段として最も将 来性ある実験手段の一つである。同手法を化学反応素過程の実時間観測と制御に向けていく一方で,溶液化学に対する 新しい実験にも着手している。気相反応素過程の詳細な研究で培った実験手段を,溶液化学を始めとする周辺領域・複雑 系に拡大していくことで,他所に無い独創的な研究を展開してきたいと考えている。

参照

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